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16歳で初主演・清原果耶の魅力 “主役らしくない”透明感ある演技に高い評価

  • 清原果耶

    清原果耶

 NHK総合でオンエア中のドラマ10『透明なゆりかご』の評価が上がっている。週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』によるドラマ満足度調査「オリコンドラマバリュー」では、初回こそ100Pt満点中52Ptだったが徐々に満足度を上げ、第4話目(8月10日放送)で81Ptに到達。続く第5話目(8月17日放送)でも78Ptと高ポイントをキープしている。主人公・アオイを演じるのは、本作でドラマ初主演を務める現在16歳の気鋭の女優・清原果耶だ。

 このドラマは、累積発行部数325万部を超える、沖田×華氏の同名マンガが原作。街の小さな産婦人科医院に、看護助手として働く17歳の少女の目を通して、子どもの誕生という喜びの一方、中絶、死産、母体死亡などの悲しい現実があることを知り、その辛さと向き合いながら命の大切さを学び取っていく物語だ。
今期ドラマの主演女優としては、『ぎぼむす』綾瀬はるかに次ぐ高評価
 主演を務める清原は、主人公と同年代の女優。2014年10月、12歳で挑戦した『アミューズオーディションフェスタ2014』でグランプリを獲得後、わずか3ヶ月で三井不動産グループのCMに出演。その強運ぶりを強く印象づけた。しかし、彼女が世の中に広く知られるきっかけとなったのは、2015年後期のNHK連続テレビ小説『あさが来た』だろう。

このドラマで清原は、主人公・あさ(波瑠)の嫁ぎ先である加野屋の女中・ふゆを演じ、女優デビューを飾った。その後、NHK放送90年大河ファンタジー『精霊の守り人』や日本テレビ系 水曜ドラマ『母になる』、テレビ東京系 ドラマ25『セトウツミ』でヒロイン役、WOWOW連続ドラマW『イノセント・デイズ』などで幅広く女優としての経験を積み、今回初めて主演の座を射止めた。
『透明なゆりかご』における清原の評価も、ドラマの評価に伴って伸びている。「ドラマバリュー」における「主演」の評価(20Pt満点)で見ると、放送前の「期待度調査」の段階では3Pt。しかしドラマが始まると、1話、2話が8Pt、3話で18Pt、4話で19Ptとうなぎ登り。第5話時点での累積平均14.2Ptは、今期ドラマの第5話までの主演女優の評価としては、綾瀬はるか(累積平均17.6pt)に次ぐ高評価を獲得し、「主演の子の透明感がこのドラマの支え」(20代女性/神奈川)と評価されるまでに。

7月期ドラマ 主演女優の「ドラマバリューポイント」上位者 (第5話時点)

ドラマ10『透明なゆりかご』のドラマバリュー推移

女優としては地味な部類に入るが、それこそが貴重な存在
 では、なぜ清原はここまで評価を受けているのか。テレビ解説者でコラムニストの木村隆志氏は、「主演だけれど主演じゃない。朝ドラのように、みんなが主役を盛り立てるような感じがないところが、逆にいいのではないか」と分析する。

「主演にだけ脚光が当たらないように、実に繊細に、上手に演出しているように感じます。たとえば清原さんの撮り方。安藤玉恵さんや平岩紙さん(いずれもゲスト出演)たちの素晴らしい演技を映した後、カメラはその演技を目の当たりにした、清原さんのリアクションを映す。その表情には素の16歳らしさが表れ、それはそのままドラマのテーマにつながっています」
 これは、『あさが来た』で彼女を見出し、その魅力を知り尽くしたNHKのドラマだからできる演出かもしれない。
「民放ドラマにありがちな、“エンタメファースト”な演出に巻き込まれないように、色をつけられずに成長している感じがします。そういう意味で、清原さんは本当に作品選びがうまい。雑誌モデルもこなす、実は何でもできる子なのですが、女優としては地味な部類に入る。でも、こういうタイプの子はとても貴重だと思います」(木村氏)

 木村氏が「NHKの秘蔵っ子っぽい」と語る清原が、後半戦に突入した『透明なゆりかご』でどんな新鮮な演技を見せてくれるのか楽しみだ。

提供元: コンフィデンス

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