長良グループが初の試み、VRとのコラボで広がる演歌・歌謡ライブの可能性

 長良グループ所属の演歌歌手・岩佐美咲、歌謡グループのはやぶさ、次世代ボーカル&ダンスグループの民謡ガールズが6月17日、「ホログラフィック」によるステージ演出ができる世界初の常設劇場・DMM VR THEATER(神奈川・横浜)で、『長良グループ×DMM VR THEATER ジョイントライブ』を開催した。同所で演歌・民謡アーティストがイベントを行ったのは今回が初めて。最新の映像技術と日本ならではの演歌・民謡とをコラボレーションさせ、革新的なパフォーマンスが展開された。

曲の世界観に合ったVR映像とのコラボに、客席からどよめき

 各アーティストが多数の楽曲を披露。そのなかで、それぞれ5曲を楽曲の雰囲気や歌詞のイメージに沿ったVR映像による演出で魅せた。

 トップバッターを飾ったのは、はやぶさの2人。登場すると早速、最新曲「蜘蛛男のダンス(シングルバージョン)」(3月7日発売)をVR映像による演出とともに披露。蜘蛛の巣をイメージした怪しげな映像のなかで、ヒカルとヤマトが軽やかに踊ると、客席からどよめきが起こった。

 前半は会場を意識して、「なんで 横浜…」「ちょっと待ってよヨコハマ」など、タイトルに横浜が付く楽曲をメドレー形式で披露。後半はVR映像とのコラボのラッシュで、8月29日発売の新曲「ジョー☆デッキー!!!」も歌の世界をイメージした銃や銃弾が飛び交うカラフルな映像のなか、フルコーラスで初披露した。

情景を楽しみながら聴く演歌・歌謡とVRは相性バツグン

 次の公演には、民謡を習っている民謡メンバーと、歌やダンスが得意なガールズメンバーから構成されるグループ・民謡ガールズが登場。富山民謡をアレンジした「こきりこ節」では、渦巻や青海波の模様が印象的なVR映像、「四季おりおり折り紙唄」では色とりどりの蝶や無数の折り鶴が飛び交うVR映像とともに、メンバー10人が優美なダンスと歌で日本古来の民謡の世界を表現した。

 またこの日は、最新曲「キラリ☆夢音頭」(6月27日発売)初回盤に収録されるカップリング曲「花鳥風月・富士の山〜艶麗〜」も、曲のイメージにあった雅な映像演出のなか初披露。普段とは異なるパフォーマンスに、ファンも大いに盛り上がっていた。

 トリを務めたのは、岩佐美咲。「今回は映像と歌のコラボという初の試みということで、本当にドキドキしているのですが、特別感のあるコンサートですので、楽しんでいただければ」とあいさつすると、春夏秋冬それぞれの季節にちなんだ選曲、構成でライブを展開。

 昨年ヒットしたシングル「鯖街道」は、まるで海の中で歌っているかのような幻想的なVR映像と、最新曲「佐渡の鬼太鼓」(2月27日発売)は、雪の積もる山並みを抜けるようなダイナミックなVR映像のなかで歌い上げ、集まったファンの度肝を抜いていた。

企画担当者も手応え、同イベントの開催で来場者層の幅広がる

 同ライブは、VRに興味を持つ若い男女の方が、この公演を通して演歌・民謡に興味を持って欲しいという思いから企画されたもの。その狙い通り会場には、各アーティストのファン以外にも、初めて演歌・民謡のライブを観たという若者の姿もあったという。

 また、普段はアニメやアイドル系のイベントが開催されることが多く、10〜30代男女がメインの客層になっているという同会場に、今回のイベントには「初めてDMM VR THEATERに足を運んだ」という、30〜60代男女の来場者が大多数を占めたという。

 同ライブを企画した担当者は、「公演は概ね大好評で、またVRシアターに足を運んでみたいと思った方も多くいらっしゃいました。各アーティストの皆さんも迫力あるVRとのコラボレーションで、楽しんでパフォーマンスをしていただけたみたいです。できれば、このような企画、ジョイントライブを継続していければいいなと考えています」と、本取り組みの手応えについて語る。

 描かれる情景を楽しみながら聴く演歌・歌謡は、VR映像との相性もバツグン。本公演が演歌・歌謡ジャンルの今後のコンサートに与える影響は大きいだろう。

(『コンフィデンス』 18年6月25日号記事を加筆して掲載)

提供元: コンフィデンス

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