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沖縄問題の原点を描く異例のヒット作『カメジロー』、米国際映像祭でドキュメンタリー銅賞受賞

『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』(C)TBSテレビ

『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』(C)TBSテレビ

 第二次大戦後の米軍統治下の沖縄で唯一人、米軍を恐れず立ち向かった活動家・瀬長亀次郎を描いたドキュメンタリー映画『米軍が最も恐れた男その名は、カメジロー』が、世界最大級の映像祭『2018アメリカ国際フィルム・ビデオ祭』ドキュメンタリー歴史部門において、銅賞に相当する「Third Place Certificate」を受賞した。

不屈の精神で米軍に立ち向かった沖縄のヒーロー

 同作は、弾圧を恐れず群衆の前に立って演説をし、毎回何万人もの人々を熱狂させ、不屈の精神で米軍に抵抗した沖縄のヒーロー・瀬長亀次郎が、彼を恐れた米軍のさまざまな策略から民衆に支えられてくぐりぬけ、那覇市長、国会議員と立場を変えながら闘い続けた姿を描く。

 もともとは2016年にTBS系で放送されたドキュメンタリー番組だが、『第54回ギャラクシー賞』月間賞を受賞するなど高い評価を受け、追加取材、再編集を行い、映画化。報道番組『筑紫哲也のNEWS23』でキャスターを務めた佐古忠彦氏が初監督を務め、主旨に共感した坂本龍一がオリジナル楽曲を書き下ろし。語りには、名バイブレイヤーの故・大杉漣氏が参加し、沖縄戦を起点に今につながる基地問題の原点を描き出した。

単館から全国拡大公開へ 連続上映300日、興収8000万円

 同作は、沖縄・那覇の桜坂劇場1館で先行上映されると、またたく間に口コミで話題が広がり、東京・ユーロスペース1スクリーンでの上映が決定。連日満席が続き、その後、全国順次公開され、現在も80スクリーンで上映中。6月7日までで連続上映300日、興収8000万円という異例のスマッシュヒットになっている。なお、これまでに、『2017年度 日本映画ペンクラブ賞』文化部門第1位、『第35回日本映画復興賞』、『第27回日本映画批評家大賞』ドキュメンタリー賞など数々の賞を受賞している。

『アメリカ国際フィルム・ビデオ祭(US International Film & Video Festival)』は、1968年にアメリカ・シカゴで創設された映像祭。ドキュメンタリー、エンタテインメント、教育など多岐にわたるジャンルの映像作品を表彰している。現在は、ロサンゼルスで開催。50年の歴史を誇る映像祭になる。昨年は、NHK Eテレ『デザインあ #109』が教育部門でゴールド・カメラ賞、NHK Eテレ『ブレイブ 勇敢なる者「えん罪弁護士」』がドキュメンタリー伝記部門でシルバー・スクリーン賞、ABC『満州崩壊はここから始まった 〜モンゴルに眠るソ連秘密基地の謎〜』がドキュメンタリー歴史部門でシルバー・スクリーン賞を受賞するなど、日本作品の受賞も多い。

『米軍が最も恐れた男その名は、カメジロー』

 第二次大戦後、米軍統治下の沖縄で唯一人“弾圧”を恐れず米軍にNOと叫んだ日本人がいた。「不屈」の精神で立ち向かった沖縄のヒーロー瀬長亀次郎。民衆の前に立ち、演説会を開けば毎回何万人も集め、人々を熱狂させた。彼を恐れた米軍は、様々な策略を巡らすが、民衆に支えられて那覇市長、国会議員と立場を変えながら闘い続けた政治家、亀次郎。その知られざる実像と、信念を貫いた抵抗の人生を、稲嶺元沖縄県知事や亀次郎の次女など関係者の証言を通して浮き彫りにしていくドキュメンタリー。
監督:佐古忠彦
撮影:福田安美
音声:町田英史
編集:後藤亮太
エグズクティブプロデューサー:藤井和史
語り:山根基世、大杉漣
テーマ音楽:「Sacoo」作曲・演奏 坂本龍一
全国順次公開中 【公式サイト】(外部サイト) (C)TBS

提供元: コンフィデンス

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