ソニーミュージック最高益、1000億円増収

 ソニー・ミュージックエンタテインメントは5月29日、2018年3月期(2017年4月1日〜2018年3月31日)の決算を発表。グループ連携業績は、2017年3月期の2826億円から約1000億円もの増収となる、3821億7200万円(前年比135.2%)と大幅な増収となった。なお、各セグメント別の売上高は公表していない。

スマートフォン向けゲーム作品「Fate/Grand Order」がけん引

※「ビデオ」は、2008年3月期より、アニプレックスにおけるアニメ・ビデオ商品を含めた比率に変更

※「ビデオ」は、2008年3月期より、アニプレックスにおけるアニメ・ビデオ商品を含めた比率に変更

 業績発表会見に登壇した今野敏博氏(CFO 兼 コーポレートEVP)によると、けん引したのは、アニプレックスなどが属する「ビジュアルビジネスグループ」と、「レーベルビジネスグループ」。特に「ビジュアルビジネスグループ」ではスマートフォン向けゲーム作品「Fate/Grand Order」が世界規模でのビッグヒットを記録。国内での課金売上ランキングでも『モンスターストライク』に次ぐ、2位となっており、その売上高は900億円〜1000億円に達しているとも予測される。

「アプリゲームに関してはチャンスがあると考え、早くから検討を重ねていました。なかでも『Fate/Grand Order』はサービス開始から2年となり、現在、展開中の第2部もご好評いただいています。「Fate」シリーズはパソコンゲームから始まり、アニプレックスによるアニメーション化、そしてアプリゲームへと展開していく過程で、アニプレックスが作品をしっかり熟知していたという点も大きく、それがヒットした要因とも考えられます。今後はさらに多面展開を図っていきたい」(今野氏)

 今野氏がこう語るように同シリーズでは昨年、幕張メッセで「Fate/Grand Order Fes.」というリアル型イベントを開催。これは本年7月にも開催予定となっている。さらにイベント展開では本年1月には、中国の動画配信サービス・bilibiliと共同で、上海でもイベントを実施している。また「Fate」シリーズ以外にも、『魔法少女まどかマギカ』の外伝スマホアプリ『マギアレコード』もスマッシュヒットを記録。同社は今後も新作ゲームのリリースを続け、ゲームビジネスについてもさらなる成長を図っていくという。

レーベルビジネスでもミリオンヒット連発

  • 「Lemon」米津玄師

    「Lemon」米津玄師

 一方、レーベルビジネスでは乃木坂46、欅坂46、米津玄師、西野カナらが好調に推移。乃木坂46はシングル4作品が100万枚超えを記録したほか、欅坂46もデビューから6枚目のシングルで初の100万枚を突破。さらに、米津玄師は最新シングル「Lemon」のシングルCDが6/4付で29.7万枚、デジタルシングル(単曲)では108.9万ダウンロードをミリオンヒットとなっている。

「このほかにも、2017年4月には新レーベル「SACRA MUSIC」を発足し、LiSAをはじめ多くのアーティストがヒットを創出。アニメの海外戦略と連携しながら安定した売上を確保できています」

 このほか、キャラクタービジネス、ライブハウス運営、アーティストマネジメント、音楽出版ビジネス、メディア事業などの業績も説明。最後に今期の目標としては、1.レーベルビジネスの安定、2.ゲームビジネスのさらなる成長、3.ストリーミングビデオの活性化などが挙げられた。

提供元: コンフィデンス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索