12週目で100万DL突破、米津玄師の「Lemon」ヒットの軌跡

 米津玄師の「Lemon」が、最新5/14付デジタルシングル(単曲)ランキングで累積100.5万ダウンロードを記録、2月12日の配信開始から、ランクイン12週目という速さでミリオンを達成した。昨年12/25付より発表を開始した同ランキング史上初のミリオン作品となった、同曲のヒットの軌跡を振り返ってみたい。

曲だけでなく、配信時期もドラマの展開に寄り添う

「Lemon」は、18年1月期の金曜ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)の主題歌で、米津にとってはキャリア初となるドラマタイアップ。同作プロデューサーの新井順子氏が、「1回出来上がったものをさらに練り直していただいたりと、かなり時間をかけて制作していただきました」と語るように、楽曲は物語との親和性が非常に高い楽曲となった。

 近年、映像作品のテーマ曲は、作品の話題作りはもちろん、フィジカル(CD)発売への“助走”として、デジタルでの先行配信を活用するケースが散見されるが、米津も同様に2月12日より配信を開始した。

 これは本ドラマの折返し地点となる5話(2月9日放送)直後のことだが、この5話は後に最終話への伏線となる重要な放送回。絶妙なタイミングでの配信によって、23.6万ダウンロードという破格の初週売上を記録した。

米津玄師「Lemon」のデジタルシングル(単曲)とフィジカルの売上推移(18年5/14付現在)

 ドラマがSNSを巻き込みながら盛り上がりを増すのと並行して、2週目以降も約10万ダウンロードで推移。フィジカル発売までに57.8万ダウンロードを上げておきながら、ドラマの最終回直前の3月14日に発売したフィジカルは、初週売上19.5万枚を記録。前シングル「ピースサイン」(17年6月21日)の初週売上を13万枚以上上回る好セールスとなった。

ドラマ放送後も、話題に上る度にDL数が上昇

 通常は放送の終了を機に売上を落としていくものだが、こと米津の「Lemon」においては番組終了後も毎週一定の数をキープ。驚きなのは、4/30付で一度底を付いてから(2万9940ダウンロード)、5/7付、5/14付で再び売上を伸ばしている点(5/7付→3万1657ダウンロード、5/14付→3万2266ダウンロード)。
  • 米津玄師「Lemon」

    米津玄師「Lemon」

 その理由としては、『アンナチュラル』が本誌発表の「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」や「ギャラクシー賞」など、ドラマ関連の賞に輝いたニュースが駆け巡ったことが挙げられる。

 その発表によってダウンロード数が伸びるというのは、「Lemon」が作品に寄り添った楽曲であるからこそ。話題に上がる度に楽曲が頭をよぎる、そんな循環が生まれているということも考えられる。

 今後も、7月11日のドラマのDVD&BD発売や再放送時など、売上を伸ばすタイミングがまだまだありそうだ。

(『コンフィデンス』 18年5月14日号掲載)

提供元: コンフィデンス

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