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“毒母”好演の斉藤由貴、私生活では「“スケバン”ママ」!?

 17年1月期のドラマ『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK総合)で、恋人のように仲の良い“友だち親子”から一変、娘に彼氏ができたことで愛情の注ぎ方を見失い、次第に暴走していく“毒母”を演じた斉藤由貴。質の高いドラマを表彰する「第7回 コンフィデンスアワード・ドラマ賞」では、その鬼気迫る演技が評価され「助演女優賞」に輝いた。斉藤自身、私生活では(3人の)子を持つ母親。家庭での“母の顔”に迫ると、「(今回の役とは)まったく違う意味で怖いです。何度言ってもダメなときは“スケバン”ママになります(笑)」と自身の主演作を挙げつつ、おどけて語る。

私にとって大きな支え、自信に繋がった

――ドラマ『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK)で『第7回コンフィデンスアワード・ドラマ賞』助演女優賞を受賞しましたが、いまのお気持ちは?
斉藤由貴 助演女優賞という素敵な賞をいただき、本当に驚きました。名古屋に通いながらの撮影でしたので、本当に大変でしたので、苦労が報われたと思います。顕子は、とても難しい役柄だったので、これでいいのかという不安をいつも抱きながら、いろんなことを振り返りつつ撮影をしました。ドラマを楽しんでくださった皆さんに客観的な目線で良い評価をしていただけたことは、私にとって大きな支えであり、自信に繋がりました。ありがとうございます。

『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK総合)より(C)NHK

『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK総合)より(C)NHK

――娘に執着する母親・顕子役を演じ、周りの反響はどうでしたか?
斉藤 ただひたすら怖い、まるでホラーを観ているようだと言われました(笑)

――斉藤さんは、普段も怖い母親ですか?
斉藤 まったく違う意味で怖いです(笑)。

――というとスパルタですか?
斉藤 最初は優しく話しますが、何度言ってもダメなときは、“スケバン”ママになります(笑)。

――近年は、母親役を演じることが多いと思いますがいかがですか?
斉藤 私の場合は、完璧ではなく、少し欠落した母親役を演じることが多いと思います。私が母親役を演じる際は、「子供に対する一途な愛情に嘘はない」ということを大切にしながらお芝居をしています。

――今回の役で最も大切にしたことはどんなところでしょうか?
斉藤 罪悪感がないということです。意地悪するつもりや怖がらせるつもりはなく、本当に良かれと思って娘に相対している。そう思って演じないと、私自身が辛くなり、途中で道を見失いどうやって先に進んでいいのかわからなくなったと思います。本当に心から子供を愛し、子供のために行動していると思いながら台詞と向き合いました。いろんなことを考えて下手に小細工すると、役に対して最後まで芯を通せなかったと思います。

脚本家・井上由美子氏に言われた言葉

――ドラマ出演を経て、どんなことを得ましたか?
斉藤 誤解を恐れずに言うと、現実の模倣であってはいけないということです。私たちは、お芝居でお金を頂いている立場であること。あくまでドラマのストーリーであって、演技であって、それを観て楽しんでいただいて評価されてはじめて、次のお仕事に繋がると思います。フィクションだということを演じる側は踏まえていないといけないと思いながら演じています。そのことを最近はよく思いますね。
―― 一番印象に残っているシーンや台詞は?
斉藤 顕子は、娘と一緒にいたいがために、愛情を押し付け、その異常な行動に対して何の悪気もなく自信を持っている。でも、「母親なんてつまらないものね。離れた方が喜ばれる」という台詞を言ったときに、顕子のそれまで持っていた自信にひびが入って。その台詞を言いながら、私自身もはっとしました。うちの子供たちもそうやって私から離れて、自然に巣立っていくと考えたときに、急に悲しくなりました。親なんて離れたほうが子供から喜ばれるんですよ(笑)。

――最後の台詞で、「私、スムージー嫌いだったのよ」(顕子は、娘の健康を考え、毎日スムージーを作っていた)という言葉が印象的でした。
斉藤 拍子抜けしますよね。

――オチの作り方が実に上手い脚本だと思いました。
斉藤 脚本家の井上由美子さんが、「すごく難しい役であるのは承知していました。でも、斉藤さんなら大丈夫と思ってお願いしました。脚本家としての私には宝箱があって、そのなかには小さな斉藤さんが入っている。困ったときや難しい役だと思ったときに、その小さな斉藤さんを取り出して演じて貰うのよ」と言ってくださって。脚本家の方にそう言っていただけるのは、嬉しいことですし、本当に幸せなことでした。

(撮り下ろし写真:草刈雅之)

提供元: コンフィデンス

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