悩めるニューモデル
「レネゲード」とともにジープのエントリーレベルを担う都会派SUV「コンパス」が、2代目にフルモデルチェンジ。世界4大陸の工場で生産されるグローバルモデルの出来栄えを、車内の利便性や乗り心地、運転のしやすさなど、さまざまな視点から確かめた。
アメリカ車の中で唯一気を吐く存在
トランプ大統領が何と言おうとも、「これでは日本で売れないのも仕方がないよね……」と、正直なところそう思えるモデルも少なくないのが、アメリカのブランド発のモデルたち。が、何事にも例外があるからこそ面白いというのも、また世の中の常。ここに紹介するのも、昨今とみに「鳴かず飛ばず」(!)という論評を免れない“アメ車”の中にあって、唯一気炎を吐き続けるブランドであるジープの最新作品だ。
そんな歴史あるブランドのエントリーモデルとして、初代コンパスが誕生したのは2006年のこと。以来、2016年に初のフルモデルチェンジを受けて再度ローンチされたのが、ここに採り上げる2代目モデルである。
4400×1810mmという全長×全幅サイズは、末っ子「レネゲード」と兄貴分「チェロキー」の間に位置するもの。“マルチエア”と呼ばれる2.4リッターの自然吸気4気筒エンジンを、4WD仕様では9段AT、FF仕様では6段ATと組み合わせて搭載するという構成から、ハードウエア上はレネゲードに近い存在であることが推測できる。
実際、そこに採用されたプラットフォームはFCAグループが「品質・信頼性を確保しながら開発期間の短縮を実現」と自画自賛する「スモールワイド4×4アーキテクチャー」。すなわちそれは、レネゲードで初採用されたものと同じとなるわけだ。...