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2億円のバイクがなぜここに?湯布院「岩下コレクション」はバイクファンの夢の城


九州地方屈指の観光地・湯布院に、個人コレクターが収集したアンティークを展示している博物館があります。数ある展示物のなかでも、ヴィンテージバイクの数は日本一の規模で、幻のバイク「ドゥカティ・アポロ」が見られるのは、何と世界でここだけ。今回はバイクやステンドグラス、レトロ玩具などを集めた「岩下コレクション」をご紹介します。

オーナーの人望でお宝が自然と集まってくる不思議な博物館

写真:フジイ サナエ

観光客でごった返す由布院駅周辺を見下ろす高台に、岩下コレクションの大きな建物が建っています。
玄関先には、ライオンの銅像や自由の女神などが飾られ、ちょっと怪しげな雰囲気。

写真:フジイ サナエ

建物は3階建てになっており、玄関を入るとまず目に飛び込んでくるのが、吹き抜けの壁面を覆う巨大なステンドグラスです。
このステンドグラスは、故ダイアナ妃の実家スペンサー家にあったもの。こんな巨大なステンドグラス、いったいいくらするんだろう…と思いきや、岩下コレクションのオーナーの友人であるイギリス人のお世話で、ほぼ日本までの輸送費のみで手に入れたんだそうです。
「アンティークのコレクターなんて、金のあり余った大金持ちの道楽なんだろ?」と思われる方も多いかと思いますが、岩下コレクションのオーナーの岩下さんは、従業員30人ほどの自動車部品工場の元社長さん。ここに展示されているものは、友人からの紹介で格安で手に入れたり、オーナー自らゴミの山から発掘してきたものも含まれています。

写真:フジイ サナエ

ステンドグラスの足下に置かれたテーブルは、アフリカから輸入した樹齢600年の原木一枚板で、こちらも岩下さんの知人関係から友情価格で手に入れたんだそう。テーブルの真ん中に無造作に置かれているのは、某お宝鑑定番組でもよく登場するドーム作の花瓶。
テーブルの横にある木製のバーカウンターは、100年前のイギリス製で、現在でも喫茶スペースとして使われています。

1階は20の店舗に別れたテーマパーク「昭和レトロ館」

写真:フジイ サナエ

建物の1階は、昭和の玩具や家電製品、映画のポスターなどを集めた「昭和レトロ館〜いつか来た道〜」。

写真:フジイ サナエ

昭和レトロ館は、昭和の町並みをイメージした約20の「店舗」設定の展示スペースに別れており、こちらはなつかしのブラウン管テレビや、手回し式洗濯機などが並んだ電気屋さん。

写真:フジイ サナエ

古い医療器具が並ぶ「病院」ブース。バイクは実際に往診に行くときに使われていた、今はなきツバサ工業のファイターです。

ずらっと並んだ懐かしのブリキ看板やソフビ人形…圧巻のレトロアイテムの数々

写真:フジイ サナエ

天井に並んだおびただしい数の看板や映画のポスターたち。ガラスケースには、整然とレトロ玩具が並びます。

写真:フジイ サナエ

これらの膨大な数のレトログッズの中には、九州地方で粗大ごみが有料化されることが決まった時、法律の施行前にかけこみ廃棄された大量のレトロアイテムを、岩下さんが連日軽トラで回収して周り、自らごみの山の中から発掘したものも含まれています。

写真:フジイ サナエ

かと思えば、別のブースには力道山がルーテーズに勝利した際、記念に買った特注のキャデラックが停まっていたり。今上天皇夫妻が、新婚旅行でハワイを訪れていた時にドライブ用に提供されたという、とんでもないエピソードまで付いたこちらのキャデラック、以前は某レストランが客寄せのために購入し、店の前に置かれていたんだとか。

所有台数600台の中から現在国内外の名車200台を展示中!「世界のモーターサイクル歴史館」

写真:フジイ サナエ

2階・3階は、国内外のバイクや車を展示した「モーターサイクル歴史館」。2階に主に国産、3階に海外のバイクが展示されており、その総数は約200台!
2階の一画を埋め尽くす「ラビット」は、富士重工(スバル)かつて生産していたスクーターで、日本のスクーターの元祖とも言われます。そのかわいいルックスは、未だに愛好家が多いヴィンテージバイクです。

写真:フジイ サナエ

カワサキ500SS マッハV。「これ欲しかったんだよ〜!」「若い頃乗ってた!」という声がどこからか聞こえてきそうな、熱狂的ファンが多い伝説のバイク。発売当時「世界最速の市販車」と呼ばれていました。

写真:フジイ サナエ

ヤマハワークスライダーとして、WGPの500ccクラス3年連続チャンピオンなど、輝かしい成績をおさめた「ケニー・ロバーツ」。ここに展示されているヤマハTZ500は市販レーサーですが、タンクにはなんとケニー直筆のサインが。なんでも、ケニーの奥様が熊本の方で、2011年にバイクで帰省する際に夫婦で岩下コレクションを訪れ、以来交流が続いているんだそう。

世界で1台!推定2億円の幻のバイク「ドゥカティ・アポロ」

写真:フジイ サナエ

岩下コレクション一番の目玉の展示物は、何といってもこの「ドゥカティ・アポロ」
ドゥカティ・アポロなんてバイクは見たことも聞いたこともない、という方は少くないかと思います。それもそのはず、アポロは試作車1台を造っただけで、結局生産されることのなかった幻のバイク。
世界で現存するアポロは、ここ岩下コレクションにある1台のみ。評価価格は、何と推定2億円!!

写真:フジイ サナエ

そんな凄いバイクが、なぜ岩下コレクションに展示されることになったのか?それは岩下さんの友人が、アメリカを旅行している際にヴィンテージバイクショップに流れたアポロを偶然見つけ、連絡をくれたことが始まりでした。
アポロは35年前の当時としてはあまりにも高額で、どうしてもお金が工面できなかった岩下さんは、現役で稼働していた工場の機械を売り、それを元手にアポロを手にいれたそうです。

写真:フジイ サナエ

館内には他にも、往年の名優・高倉健の映画ポスターや台本など1000点を展示した、「高倉健展」が常設されています。
岩下さんの生まれ故郷・福岡県東峰(とうほう)村にあった宝珠山炭鉱は、健さんのお父さんが単身赴任していたことから、幼少期の健さんも父を訪ねて何度か東峰村に来たことがありました。そのことを知った岩下さんは、健さんに「過疎に悩む村を元気づけて欲しい」と手紙を送り、以来健さんと岩下さんは手紙での交流を長らく続けていたそうです。博物館の前にある桜の木は健さんから送られたもので、春になると毎年可憐な花を咲かせています。

岩下コレクションの基本情報

住所:〒879-5114 大分県由布市湯布院町川北646-6
電話番号:0977-28-8900
アクセス:JR由布院駅よりタクシーで3分/湯布院I.Cより車で2分
開館時間:AM9:00〜PM5:00 ※年中無休
2017年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
岩下コレクション 公式ホームページ
http://www.geocities.jp/iwasita_c/

【トラベルjpナビゲーター】
フジイ サナエ

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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