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横浜市のバードウォッチングの聖地、冬の舞岡公園に行こう!


港町として有名な神奈川県横浜市も、ちょいと内陸に足を運べば思いのほか緑がいっぱいです。12月頃にもなれば、冬ならではの小鳥やカモ達が北国から渡ってくるような自然公園もたくさん。中でも多くのバードウォッチャーから愛されているのが、戸塚区の舞岡公園です。森と森とに挟まれたいわゆる谷戸空間に広がる田んぼや原っぱ、湿地帯には、毎年冬になると多くの鳥が訪れます。中には郊外でもなかなか見られない珍しい鳥も!?

色褪せたさみしい冬こそ、にぎわう公園?

写真:鷹野 圭

冬になれば落葉樹は葉を落とし、多くの昆虫も姿を消して、公園は夏場よりも静かになるもの。事実、ここ舞岡公園でも花や緑は一時的にぱったりと見られなくなり、子供たちの姿も減ってしまうので、そういう意味では「にぎわい」は減ってしまうかもしれません。田んぼもご覧の通りです。
しかし、それでも寒い舞岡公園には毎年人が多く訪れ、来園者の車の数もかなり多くなります。重い撮影機材を持って、市内あるいは遠方からバードウォッチャーが集まってくるのです。

写真:鷹野 圭

冬の小鳥たちがよく集まるのは、植物の種やミミズなどの「エサ」となるものがある場所です。そのため、樹木のある湿地帯がバードウォッチングに最も適した環境といえるでしょう。舞岡公園にはそうした場所が随所にちりばめられており、ご覧のように朝から多くのバードウォッチャーが集まります。
初めの内は具体的にどこに鳥が現れるかわかりにくいので、ちょっと卑怯な気もしますが(汗)写真のように人の集まっている場所をチェックするのがいいかもしれません。その代わり、皆さんがお待ちの鳥を脅かさないよう、このように三脚の並んでいる場所では静かに歩くことを心がけましょう。

写真:鷹野 圭

園内にはいくつかの池があり、マガモやコガモなどの冬のカモ類はここに集まります。人気のカワセミもよく見られ、カワセミ目当てのバードウォッチャーは冬場に限らず年間を通じて見られます。一つひとつの池はあまり大きくありませんが、その分鳥までの距離が遠くないので、市販の双眼鏡やデジカメがあればバッチリ鮮明な姿を捉えることができるでしょう。

舞岡公園の冬の鳥1「木の枝にも、地面にも」

写真:鷹野 圭

冬の舞岡公園では落葉樹の葉が落ちて視界がスッキリするため、木の枝にとまった鳥なども簡単に見つけることができます。写真はウソという鳥のオスで、晩秋から春先にかけて関東地方の平地にやってくる冬鳥です。大きさは、スズメよりやや大きいかという程度。オスは喉もとの淡い赤色が美しいですよ。よくメスと一緒に行動しているので、近くを探してみるといいでしょう。

写真:鷹野 圭

鳥が現れるのは、何も木の枝や、柵で隔離された草原や湿地帯だけとは限りません。写真の黄色い鳥はアオジといい、スズメとほぼ同じくらいの大きさの冬鳥なのですが、この鳥は妙に人を怖がらないタイプで、堂々と園路に出てきて目の前を歩いて横切ることもしばしば。「気づいたら足元にいた」なんてこともあります。
冬の舞岡公園ではごくコンスタントに見られる鳥なので、目の肥えたバードウォッチャーには無視されてしまうことも多々ありますが(汗)、見ての通りきれいで可愛らしい小鳥です。近くまで寄ってくることも多いので、スマホなどでも結構鮮明な写真が撮れるかもしれませんよ。

写真:鷹野 圭

柵で仕切られて立ち入りできない湿地帯の奥、ようやく肉眼で確認できるくらいの遠い場所に、まれに珍しい鳥が現れることがあります。写真中央、茶色くて嘴の長い鳥がいるのがわかりますでしょうか?
この鳥はヤマシギといい、後述のタシギに近い仲間。ただし非常にレア度の高い鳥で、舞岡公園を訪れる多くのバードウォッチャーにとって憧れの存在です。関東圏では稀に冬に飛来する程度ですが、ここ舞岡公園ではほぼ毎年確認されています。ぜひ探してみてくださいね!

冬の鳥たちは何を食べるの?

写真:鷹野 圭

夏場と違って、昆虫やトカゲなどの数がガクンと減る冬の舞岡公園。鳥たちは何をエサにして生き延びるのでしょうか? まず、メインかつ貴重な食糧となるのが木の実や種。木の実というと秋の風物詩のような気もしますが、比較的冬の早い時期ならまだ木の実が潤沢に残っています。熟した実が残っている内に栄養を蓄えるため、こうした初冬の実がなる木には多くの小鳥が集まります。(写真はヒヨドリ)

写真:鷹野 圭

写真のコゲラは、日本で最もよく見られるキツツキの仲間。鋭いくちばしで硬い実や種を割って中身を食べることができます。他にも、イラガの繭やハラビロカマキリの卵のなどを食べることも! 冬ごもりの間、硬い殻で身を守って春を待っている昆虫達も、キツツキの前にはなす術もありません……。カン!カン!カン!と鋭い音が連続して聞こえてきたら、近くの木を探してみてください。

写真:鷹野 圭

こちらもキツツキですが、コゲラよりもちょっと大型でグリーンの背中と赤い帽子のような模様が素敵。アオゲラといい、冬場でなくても関東にいる鳥ですが、深い森の中で暮らしているので、葉が落ちて視界の開けた冬場でないとなかなか出合えません。
これくらいの大きなキツツキになってくると、食べるものは昆虫がメインになってきます。よく知られているキツツキの食性と同じように、木をつついて穴を開け、中で冬ごもりしているカミキリムシなどの幼虫などを食べるのです。

冬の舞岡の代名詞 タシギを探そう

写真:鷹野 圭

タシギという鳥をご存知でしょうか? 上に登場したヤマシギによく似ていて、丸っこい身体と細長いくちばしが特徴のシギの仲間です。写真のようにくちばしを泥に突き刺し、地中に隠れたミミズなどを引っ張り出して食べます。
ヤマシギと比べると比較的警戒心が薄く、人の近くまで寄ってくることも。田んぼや湿地帯によく出現しますので、保護色で目立ちにくいものの、割とすぐに見つかるかもしれません。

写真:鷹野 圭

写真のように、2羽の“つがい”で現れることも。大きさも色もほとんど変わらないのでどちらがオス・メスなのかはわかりにくいですが、仲睦まじく田んぼで食事したりしている姿も稀に見られます。

写真:鷹野 圭

鳥たちは羽についたゴミや雑菌などを落とすため、よく水浴びをします。寒い冬場でもなんのその、タシギも例外ではなく、写真のように水溜りに入る姿をよく見かけます。さすがに私達のように湯船(水)にどっぷり浸かるわけにはいかないので(いざという時に飛べなくなってしまいます)、浅い水溜りで全身を何度も激しく震わせ、全身に水をつけようとします。可愛らしい姿ですが、結構疲れそう……。

冬〜春にかけて、鳥と共に公園を彩る花々

写真:鷹野 圭

2月中〜下旬頃になると、舞岡公園の林床部でちらほらと黄色い花を見るようになります。福寿草(ふくじゅそう)というこの花は、日本の草本植物の中でも一際早い時期から花を咲かせる植物。早春の代名詞ともいえる山野草で、古くは江戸時代より高い人気を誇り、栽培も盛んに行われていました。
自生の福寿草は近年すっかり数が少なくなってしまいましたが、ここ舞岡公園では限りなく自然に近い形で、雑木林の中に咲いている姿を見かけます。

写真:鷹野 圭

足元に咲く福寿草とほぼ同時期に、舞岡公園ではそこかしこで蝋梅(ろうばい)の花が開き、独特のスパイシーでさわやかな香りを漂わせます。黄色い、名前の通り蝋を思わせる質感の花が枝いっぱいに咲く様には、思わず目を惹かれます。

写真:鷹野 圭

こちらは少し遡り、冬の始まりから年末頃にかけて見られるツワブキ(キク科)。黄色く大きな花はヒマワリにもよく似ており、殺風景な初冬の公園内では一際目立ちます。最近では都心の街路樹の足元などでもよく植栽されているこの花、実は甘いバニラのような香りも持っています。バラやユリほど強くは香ってきませんので、顔を近づけてみましょう。

園路から普通に野鳥を観察できる良スポット

横浜市内でも有数の広い緑地を有し、在りし日の里山風景を色濃く残す舞岡公園。タシギを始めとした冬の鳥たちは11月末から3月末頃にかけて公園内で過ごし、やがてサクラの開花する頃に北国や山奥へと旅立っていきます。約4ヶ月間、横浜市内でありながらたっぷりとバードウォッチングを楽しめることでしょう。
<基本情報>
住所:神奈川県横浜市戸塚区舞岡町1764(舞岡公園小谷戸の里)
電話番号:045-824-0107
アクセス:横浜市営地下鉄「舞岡駅」より徒歩約25分
2017年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
舞岡公園公式Webサイト
http://maioka-koyato.jp/

【トラベルjpナビゲーター】
鷹野 圭

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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