完全無欠のスーパースポーツ
「ランボルギーニ・ウラカン」シリーズの頂点に君臨する「ウラカン ペルフォルマンテ」。640psまで強化されたV10エンジンをはじめ、エアロダイナミクスや軽量化など、同社が誇る先進技術が投入された“完全無欠のウラカン”の走りをサーキットで試した。
ピークパワーが640psへ
イタリアンクラシコを地で行く「アヴェンタドールS」に対して、最新の「ウラカン クーペ」をさらにスープアップしたペルフォルマンテは、非の打ちどころのない極めてスマートなスーパースポーツに仕上がっていた。筆者はワインの銘柄に詳しくないのだが、たとえるならそれは、前者がどっしりとしたフルボディーの赤ワインで、後者が爽やかかつ飲めば確実に酔っ払ってしまう上等なスプマンテやプロセッコといった感じだろうか?
車名のペルフォルマンテとは英語でいう“パフォーマンス”の意味である。「アウディR8」とコンポーネンツを同じくするその成り立ちは、カーボンファイバーとアルミを用いたハイブリッドシャシーに、5204ccの排気量を持つV型10気筒を搭載するミドシップ4WDという構成をとる。
そのネーミングが示す通り、エンジンはベースモデルであるウラカン クーペの610ps/560Nmから、一気に640ps/600Nmにまで高められた。これはエンジン内部のパーツを軽量化して排気圧損失を見直すことによって達成されたというが、この時代において大排気量の自然吸気エンジンをさらに性能向上させたことには、アヴェンタドールSともども本当に驚かされる。
しかしながら、このペルフォルマンテに乗ってうならされたのは、エンジンというよりもむしろこれだけのエンジンパワーをまるっと飲み込んでしまうシャシーの方だった。特に空力性能によるスタビリティーの向上幅はすさまじく、今のランボルギーニにとってエアロダイナミクスの投入、およびその強化がトレンドであることがよくわかる。...