軽やかなハイブリッド
モデルライフ半ばのテコ入れが実施された、「ホンダ・フィット ハイブリッド」に試乗。目玉となる運転支援システムの使い勝手や実際に計測した燃費データも含め、売れ筋コンパクトカーの実力を報告する。
ガソリン価格は大きな決め手
フィットがマイナーチェンジした。このカタチにフルチェンジしたのは2013年夏。過去4年間の販売実績を聞いて、驚いた。1.5リッターハイブリッドとただのガソリンエンジン(1.3および1.5リッター)との比率は、半々だという。4年前の登場直後は、7割以上がハイブリッドだったはずである。
今回、マイチェン後1カ月の受注はやはりハイブリッドが優勢だが、55%にとどまる。この差は何か。理由は簡単だ。4年前、「アクア」をしのぐ好燃費で鳴り物入りのデビューを飾ったときは、ここ5年間で最もガソリン価格が高騰していた。全国平均160円台後半(レギュラー)を超すなか、もっぱらハイブリッドに注目が集まり、売れたのである。
しかしその後、ガソリン価格は下降に転じ、ノンハイブリッドモデルが盛り返し、ならすと半々というわけだ。そういえば、筆者の身近にひとりいる現行フィットオーナーも、一番安い1.3リッターのMTである。アクアはハイブリッド専用車だが、フィットは、イコール、ハイブリッドというわけではないのだ。
という話の流れだと、今回の試乗車はガソリンモデルになりそうだが、乗ったのはやっぱりハイブリッド。220万5360円のシリーズ最上級モデル「S Honda SENSING(ホンダセンシング)」である。...