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古都の趣が満載!京都嵯峨野「大覚寺」の夜間特別拝観


嵯峨野の北に位置する大覚寺は、弘法大師空海を宗祖とする真言宗大覚寺派の本山で、約1200年の歴史を持つ、広大な境内を持つお寺です。いけばな「嵯峨御流」の始まりの地でもあり、四季を通じて「華と心経」の行事が執り行われています。
そんな大覚寺の、夜間特別拝観(ライトアップ)は、8月の「宵弘法(嵯峨の送り火)」、9月の「観月の夕べ」、11月の「真紅の水鏡」が代表的です。どれも趣のある行事です。

大覚寺

写真:島野 佳幸

大覚寺は、平安時代のはじめに嵯峨天皇(桓武天皇の第二皇子)の離宮として建立され、約1200年の歴史を持つお寺です。広い境内に建てられているお堂や宸殿などの建物内には、回廊がめぐらされていて、これらの建物内を巡りながら狩野山楽筆の襖絵や墨絵などの障壁画(複製)も愛でることができます。
また、嵐山を借景にした四季折々の景色が美しい日本三大名月鑑賞地の一つとして知られる「大沢の池」もあわせて、ゆっくり拝観すると、古都の雰囲気を存分に味わいながら過ごせる場所です。

写真:島野 佳幸

四季を通じて境内では、冬には雪景色、春には梅・桜、夏は新緑・淡緑・濃緑、秋は錦秋の紅葉など、また大沢の池の睡蓮・蓮や泳ぐ鯉なども見ることができ、のんびりと嵯峨野の一日を満喫して心が癒されるお寺です。
嵐山渡月橋から約2Kmほど北、JR嵯峨嵐山駅、嵐電嵯峨駅から約1.5Kmほど北の場所位置しています。途中古都の名所などありますが、まっすぐ歩けば約30分ほどで、到着します。
大覚寺の基本情報
住所:京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
電話番号:075-871-0071

真夏の夜の「宵弘法」(嵯峨の送り火)

写真:島野 佳幸

毎年8月20日の夜に、嵯峨野大覚寺の「宵弘法」(嵯峨の送り火)が、京都の夏の夜を締めくくるように厳かな執り行われます。この日、大沢の池に数多くの灯籠が浮かび、夕闇に包まれるころから、灯篭の輝きが増してきます、19時ころから池にせり出すように作られた祭壇で読経が行われて、池の中央に組み上げられた祭壇に火が投じられ、真っ赤な炎となって燃え盛ります。
徐々にせまる日暮れとともに池の中の灯篭の火が輝き始めます。運が良いと(晴天だと)夕焼けが池面に反射して、色とりどりの灯篭を輝かせます。これだけでも充分に幻想的な光景です。

写真:島野 佳幸

大覚寺の僧侶の方々数名が祭壇の前に。そして、朱色の袈裟を着た僧侶の方が祭壇の前に座られて、大太鼓の連打と共に般若心経の読経が始まります。池の周囲からも見学者がお経を唱和する声が聞こえてきます。厳かな雰囲気に包まれる瞬間です。
法要読経の最中に護摩符を積んだ舟が大沢の池に漕ぎ出して、池の中に組み上げられた祭壇の大きな松明への点火が始まります。炎はあっという間に燃え盛ります。燃え上がる炎が、夏の終わりを告げるように池の周りを明るく照らし出します。パチパチと組み上げられた松明の燃える音も聞こえるほど、近くで見ることができます。
やがて火の勢いが衰えてきて、幻想的な精霊のお見送りの行事が終わります。

中秋の「観月の夕べ」

写真:島野 佳幸

大覚寺大沢の池は、日本三大名月鑑賞地の一つです。(他は、奈良市の猿沢池、滋賀県大津市の石山寺)
旧暦8月15日の夜に煌々と輝く「中秋の名月」の日の前後の夜に、ここ大覚寺では大沢池にせり出すように作られた祭壇で満月法会が行われ、そこでの読経の中、大沢池に龍頭鷁首舟が漕ぎ出され、夜空に輝くほぼ満月の月を楽しむことができます。
煌々と輝く月がこの「観月の夕べ」の主役です。「月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」と詠まれる中秋の名月を、この大沢の池で愛でる時間は至福の気分を味わます。

写真:島野 佳幸

夕方18時半頃から、大沢池に設えられた祭壇で満月法会の行事が始まり、大覚寺の僧侶の方々の般若心経の読経が行われます。中秋の名月の行事は農作物の実りに感謝する、という意味もこめられていることから、お供え物がお団子や、芋、豆などの野菜、お茶、お花で、農作物の豊作と人々の幸せが祈願されます。

写真:島野 佳幸

「観月の夕べ」は、1200年もの歴史のある行事で、嵯峨天皇(空海、最澄らが唐へ渡った西暦800年代前半に即位)がここ大沢池にて中秋の名月に舟を浮かべ、平安時代の文化人・貴族の方々と遊ばれたことから始まっています。この日、大沢の池には龍頭鷁首舟が漕ぎ出されて、約15〜20分かけてゆっくりと池を一周します。
2017年(平成29年)の大覚寺「観月の夕べ」は、中秋の名月(10月4日)に合わせて10月4日(水・中秋)〜10月6日(金)に行われます。

錦秋の「真紅の水鏡」

写真:島野 佳幸

夜間特別拝観「真紅の水鏡」は、古都の秋の夜を満喫できる、お得感満載の行事です。ほぼ同じ時期に「嵯峨菊展」も開催されていて、可憐な「嵯峨菊」が境内中に展示・飾られています。
この「真紅の水鏡」の期間は、国宝・重要文化財特に指定されている数多くの「障子絵」、境内いっぱいに飾られている「色鮮やかな嵯峨菊」、広い境内に錦秋の色模様を作り出している「紅葉」の三つのライトアップを同時に楽しめます。

写真:島野 佳幸

ライトアップの幻想的な光は嵯峨菊、大沢の池周囲の紅葉をひときわ際立たせ、また池の水面に映し出される心経宝塔や、建物内の襖絵は息をのむあでやかさです。

写真:島野 佳幸

大沢の池を見渡せる五大堂の縁台からは、紅葉も、嵯峨菊も両方楽しめます。
2017年(平成29年)の大覚寺「真紅の水鏡」は、11月10日(金)〜12月3日(日)に行われ、「嵯峨菊展」は、11月1日(水)〜11月30日(木) に行われます。

春爛漫の「桜ライトアップ」

写真:島野 佳幸

大覚寺の恒例行事ではないので毎年実施されるとは限りませんが、旅行会社のツアーなどで、時々「大覚寺の桜ライトアップ」が実施されていて、広い大沢の池周囲に咲き誇る夜桜を楽しめます。
池の周囲には数百本の桜の木がずらっと並んでいます、その木々のライトアップは、一見の価値ありです。うまくツアーなどを探してみてください。

写真:島野 佳幸

春爛漫の大沢の池の日中の桜風景です。

じっくり嵯峨野巡りにも便利

大覚寺の位置する嵯峨野の北エリアには、数多くの観光名所があります。
大覚寺の北1Kmほどの場所に、隠れ紅葉名所の「直指庵」があり、南西1Kmほどのところに京都三大火祭の一つ(嵯峨清凉寺お松明式)が早春に執り行われる「嵯峨釈迦堂(清凉寺)」があります。
また、西3Kmほどの場所にはお盆の千灯火供養で知られる「化野念仏寺」その南東700mほどのところに「平家物語」にも登場する大覚寺の塔頭「祇王寺」があります。さらに南東400mほどのところに紅葉の馬場で知られる「二尊院」その南300mほどのところに四季の景色が美しい「常寂光寺」、江戸時代の俳人の去来が営んだ「落柿舎」があり、そのまま南方向に方向に進むと、途中にトロッコ嵐山駅、嵯峨野の竹林、源氏物語旧跡 の「野宮神社」、世界遺産の「天龍寺」、などを通って嵯峨野を代表する観光スポットの「渡月橋」に出ます。
一日、あるいは半日ゆったりと、嵯峨野の北地域の名所を散策しながら、夕暮れからは大覚寺の「夜間特別拝観」で、厳かな雰囲気を堪能してみませんか?

■関連MEMO
旧嵯峨御所 大本山 大覚寺
https://www.daikakuji.or.jp/
『たびねす』京都嵯峨野大覚寺の「観月の夕べ」で至福のひと時を過ごそう!
http://guide.travel.co.jp/article/5529/
『たびねす』京都嵯峨野「大覚寺の送り火」で静かに夏に別れを告げよう
http://guide.travel.co.jp/article/5337/

【トラベルjpナビゲーター】
島野 佳幸

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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