驚きだらけのワゴン
2017年春に世界初公開された新型「BMW 5シリーズ ツーリング」のデリバリーが国内でスタート。その走りや使い勝手はどれほどのものか、最上級モデル「540i xDriveツーリング Mスポーツ」で確かめた。
快適さに「隔世の感」
実にスムーズで快適な中型ステーションワゴン。走り屋たることを自らに課していたバイエルンの高級車メーカーも成熟したもんである。昔はもうちょっと硬かった。ランフラットタイヤを採用し始めた初期はなおさらだった。それがいまやなんということか……。技術の進歩に目がくらむ。
先般、お台場で開かれた試乗会において新型「BMW 523dツーリング」と「530eセダン」にチョイ乗りしていたので、新しいG30型世代が往年の、近年でいえばエアサスのメルセデス・ベンツを思わせるほど快適なクルマであることは知っていた。けれど、「短いサスペンションスプリングとハードにセッティングされたダンパーを組み合わせ」ている「Mスポーツ」にしてから、こんなになめらかだったとは! びっくりしたなァ、もう。故三波伸介のギャグを思い出すほど驚いた。
ランフラットだから硬い、という方程式はもはや過去のものである。ここまで過去のものになった以上、定式として成立しない。穴を掘って埋めよう。ワゴンというのは後ろに荷物を積むのでリアのサスペンションが硬くなっていて、居住空間と荷室が一体のため、音の侵入を許しやすくなる、という常識も過去のものといわねばならぬ。むかし話ばかりで恐縮です。...