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夏は滋賀県・醒井で梅花藻(バイカモ)の可愛い姿を観察しよう!


滋賀県・醒井(さめがい)は中山道の宿場町として有名ですが、初夏から初秋にかけて清流に開花する梅花藻(バイカモ)の花を存分に楽しむことができます。しっとりした街並みも情緒たっぷりで、平成の名水百選に選定された「居醒(いさめ)の清水」や十王水、西行水などの名湧水もありますので、暑い季節に涼味を味わってみてはいかがでしょうか?

地蔵川に沿った醒井の街並みは情緒たっぷり!

写真:菊池 模糊

JR東海道線の醒ヶ井駅から南へ徒歩5分のところに、地蔵川があります。これは、居醒の清水と呼ばれる湧水に源を発し、醒井宿の中を旧中山道に沿って西へ流れ、天野川に合流し琵琶湖に注ぐ小さな川です。伊吹山などこの近辺は石灰地層が多く、雨水は伏流し長い年月をかけて湧水として出てくるのです。
河岸には「かわと」という川際に降りる階段状の場所が設けられ、果物を冷やしたり野菜を洗ったりできるようになっています。古くから地元の人たちの生活と結びつき保護されてきた水と親しむ街並みは、落ち着きと潤いのある情緒を醸し出しています。

写真:菊池 模糊

ヴォーリズの設計を元にする旧醒井郵便局舎も独特で、石造り風に見える木造モルタルの擬洋風建築。これもまた一興です。

写真:菊池 模糊

夏は、地蔵川に咲く水中花である梅花藻(バイカモ)が一番人気。多くの観光客が訪れます。

梅花藻は可愛い水の精!

写真:菊池 模糊

地蔵川は、梅花藻が生息する貴重な場所として知られ、年間を通じて14度くらいの清浄で安定した湧水環境が維持されています。梅花藻は、初夏から初秋にかけて小さな梅のような花を水面に咲かせ、全体的に小規模ながら独特の華やな雰囲気があります。夏季の限定期間には、梅花藻の夜間ライトアップもあります。

写真:菊池 模糊

梅花藻は、キンポウゲ科の多年草で、山菜として食用にもなる沈水性の水草です。花は白い五弁で、1cm強の小さなものですが、群生すると見事な風景を見せてくれます。

写真:菊池 模糊

写真は、梅花藻のクローズアップです。接近してよく見ると、とても可愛い花であることが分かります。

ハリヨ(針魚)は貴重な淡水魚!

写真:菊池 模糊

梅花藻は独特の水環境を育み、水生昆虫が生息するだけでなく、梅花藻の茎葉を産卵床とするハリヨ(針魚)という淡水魚が見られます。ハリヨは岐阜県と滋賀県の山間部にしか生息しない貴重な生き物で、年間を通じて低水温で清浄な浅瀬環境に適応しています。
ここ居醒の清水近くの延命地蔵堂には地蔵川のハリヨを入れた水槽があり、飼育された姿を間近で見学することができます。

写真:菊池 模糊

ハリヨは、わずか体長5pほどの小さな魚で、背中にや腹にトゲを持ちます。現在は環境の悪化や近縁のイトヨとの交雑が進み絶滅が危惧されているそうです。

写真:菊池 模糊

ハリヨの水槽のある地蔵堂の側に、雨森芳洲の歌碑があります。
「水清き人の心をさめが井や底のさざれも玉とみるまで」
江戸時代中期の儒学者である雨森芳洲は、近くの現・長浜市の出身で、対馬藩に仕え李氏朝鮮との外交に活躍しました。晩年、故郷近くの居醒の清水に思いを寄せて詠んだものです。

西行水の伝説はロマンチック!

写真:菊池 模糊

醒井の街並みの西はずれに、西行水という湧水があり泡子塚が祀られています。これは西行法師の逸話に彩られたロマンチックな場所です。

写真:菊池 模糊

伝説によると、平安時代末期、西行が京から関東へ行く途中、この醒井の湧水で休憩していたところ、茶店の娘が西行に恋をして、西行の飲んだ後の茶の泡を飲むと懐妊していしまい、男の子を生みました。
西行は、関東からの帰り、ここに立ち寄り、娘から話を聞き、その生まれた子を見つめるや「今一滴の泡変じてこれ児をなる、もし我が子なら ば元の泡に帰れ」と祈り「水上は清き流れの醒井に浮世の垢をすすぎてやみん」と詠みました。すると不思議や、その子はたちまち消えて、元の泡になりました。西行は「実に我が児なり」と、ここに石塔を建てたそうです。

写真:菊池 模糊

西行水の近くには、中山道醒井宿の道標があります。

醒井水の宿駅でお土産をゲット!

写真:菊池 模糊

醒ヶ井駅前には、「醒井水の宿駅(さめがいみずのえき)」があります。直売所として地場の野菜や名物お土産物を販売しており、おふくろバイキング 「みゆき」やミュージアムもあります。なにより「醒井の湧水」が前の広場に出ており、無料で試飲したり汲むことができます。美味しい水ですので、ぜひ試してみましょう。
レストランでは、兜を模した光成カレーや、醒井の特産であるマス料理を味わえます。お土産としては、地野菜がおすすめですが、それ以外にも、梅花藻パウダーを練りこんだ「梅花藻ういろう」や、地蔵川から下流の天野川にかけては蛍の名所でもあることから作られた「天野川蛍」というお菓子などがあります。

最後に

醒井の街並みや地蔵川の湧水の景観そして梅花藻は、地元の人たちの保護努力で維持されています。マナーを守って静かに見学しましょう。マイカーで侵入し歩く人々をクラクションを鳴らして蹴散らすような真似は厳禁です。JR醒ヶ井駅からすぐですので、なるべく鉄道利用で観光するようにしてください。
なお、梅花藻は6〜9月にかけて開花しますが、梅雨時は水量が多く花か沈水するので、8月〜9月中旬が見頃となります。

■関連MEMO
醒井水の宿駅ホームページ
https://www.samegai.info/
長浜・米原・奥琵琶湖公式ホームページ
http://kitabiwako.jp/spot/spot_206/

【トラベルjpナビゲーター】
菊池 模糊

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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