秋が似合うS660
専用ボディーカラーや特別な内装をまとった、「ホンダS660」の特別仕様車「ブルーノレザーエディション」に試乗。その“大人向け”の魅力を堪能しつつ、オープンエアドライブの楽しさをあらためて確認した。
ポップでもストイックでもない
「特別仕様車が出たんで乗ってください!」 電話から編集部Fクンのさわやかな声が響いた。スペシャルなホンダS660と聞いて、期待が高まる。 で、通常のモデルとどこが違うの? 「ボディーカラーとインテリアが特別っす」 えーっと。色のほかには? 「あと、新しいアプリもあるから試してみてください?」 お、おう……。
というわけで、ホンダS660 αブルーノレザーエディションに乗った。S660の上級グレード「α」をベースにして内外装を上品に仕上げた大人系特別仕様車である。パワーユニットや足まわりに変更はない。ボディーカラーは「プレミアムスターホワイトパール」「アドミラルグレーメタリック」も選べるが、試乗車は特別色の「ベルベットマルーンメタリック」だった。茶色とも紫ともつかない色で、光の当たり具合によって微妙に表情が変わる。
S660には赤・青・黄という派手なボディーカラーがあり、スポーツカーのポップな若々しさを前面に押し出す。白・黒・グレーの無彩色も用意されていて、こちらはスポーツカーのストイックな側面を強調している。ベルベットマルーンメタリックは、どちらとも異なる印象だ。上品さと渋み、落ち着きを感じさせる。
内装はさらに特別だ。「ジャズブラウンインテリア」と名付けられたカラーコーディネートは、黒一色の通常モデルとはまったく異なる空間を演出する。ブラックで統一されているとスポーティーなコックピットなのだが、ブラウンを加えるとまるでオシャレなリビングルームだ。専用スポーツレザーシートだけでなく、ステアリングホイールと助手席インパネ部分にもブラウンが配置される。...