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横峯さくらはツアーで何を食べている?米国で戦う事=食事との戦い、の実態。

過酷なツアー生活の中で、なんとか自分で食事をやり繰りして戦い続けている横峯。米ツアー3年目の今季は勝負どころとなる。

先日、今季限りでの現役引退を表明した宮里藍選手も参戦している米国女子ゴルフツアー。1月下旬から11月中旬の約10カ月間にわたって、世界の15の国と地域で35試合が行われるという過酷なツアーである。
日本と異なりそのほとんどが4日間大会で、フルに参戦するとシーズン中はほぼ休みがない。日曜日の最終日でホールアウト後にロッカーでシャワーを浴びて、すぐに空港に向かい、次のトーナメントの場所に行く選手も多い。アメリカ国内だけでなく世界各国で開催される大会を転戦するので長距離移動も多く、体力がなければシーズンを通して戦うことは難しい。
この地獄のような長丁場のツアーを戦い抜くために、食生活の管理はとても重要になる。「食を制したものがツアーを制す」とまでは言わないが、しっかり食べるのもプロ選手としての務めだ。
世界各国から食文化、宗教などが異なる選手が集まる米国女子ツアーで、彼女たちがどんな工夫をしているのかを紹介してみたい。

朝ごはんには必ずお米を――横峯の場合。

横峯さくらはツアーで何を食べている?米国で戦う事=食事との戦い、の実態。

2015年から米国ツアーに参戦している横峯さくらが、朝ごはんに必ず食べるのが「お米」。
自分で炊いて用意することもあるが、それができない場合は前夜に日系やアジア系のレストランで炒飯などを翌朝用にテイクアウト。店によっては水気が少ないタイ米を使うところもあるが、お米の種類や調理法に大きなこだわりはなく「どれも美味しくいただいています」。
日本ツアーに参戦していた頃は、専属の調理師が用意してくれる食事を摂っていたため、「選手用食堂で(他の選手と)食べたことがなかった」と話すが、米国では食堂も積極的に活用している。
6月に東海岸のニュージャージー州で行われた大会「ショップライト・クラシック」では、朝食用のバッフェから目玉焼き、焼いたアスパラガス、ヨーグルトなどバランスよく取って席に。その後、おもむろにバッグから取り出したのは、前夜にテイクアウトした炒飯。前述したように朝はお米をしっかり食べる。

ピザやハンバーガーも「アメリカに来て好きに」。

一方で体調や試合の場所に合わせて、外食も上手に利用する。
米国ツアーはレストランの選択肢が少ない地方都市で行われることも多い。もちろん日本食があればそれがベストだが、ピザやハンバーガーも「アメリカに来て好きになりました」というように、時々ご褒美として食べることも。
朝ごはんは自らの“食のルーティーン”をしっかり守ってバランスよく食べながら、その他は臨機応変に対応する。そういった柔軟な姿勢で長いツアーを戦うのが横峯流だ。

宗教上の理由で特別な状況の選手は……。

2015年からツアーに参加するイスラエル出身のレティシア・ベックは、ユダヤ教の戒律により、厳しい食事制限を持つ選手の1人だ。
ユダヤ人は一般的に「コーシャ」と呼ばれる、ユダヤ人によって特殊な方法で処理された食べ物を口にする。厳格なユダヤ人は専用スーパーで買い物をし、一般のスーパーで売られているものはほとんど買わないが、ツアー中にそこまで厳しくすることはできないため、ベックは自分に出来る範囲で戒律に沿って食べ物を選んでいるという。
例えば、カフェテリアなどで「魚のホワイトソースがけ」と書かれていても、ユダヤ教では鱗のある魚以外は食べてはいけないので、魚の種類までが問題になる。
野菜スープも野菜だけの出汁だけであれば口にできるけれど、鶏肉で出汁をとっている場合はアウト。「食堂のシェフにその都度どういう素材を使っているか細かく聞かなければいけないのが面倒」とベックは笑うが、「高校時代からフロリダのIMGアカデミーに留学していて、どういう食べ物を選べばいいか分かってきているから大丈夫」と話す。
米国ではなんとかルーティーンを守れるベックが困ったのがリオ五輪の選手食堂。
選手村に入村する前に「コーシャ料理」を依頼していたが、手渡されたのは冷凍のコーシャ弁当。
「開けたら牛肉が入っていて、それがきちんと処理されたのか分からなかったので、サラダやパスタなどを選んで、皆と同じものを食べるしかなくて……」
最後までリオ五輪の環境に対しては不満が残ったようだが、プレーそのものはなんとか乗りきったと笑う。

日常生活にも支障が出る、アレルギーと戦う選手も。

米国女子ツアーで3勝の経験を持つスペイン出身で今年30歳のベアトリーズ・レカリは、若いころに拒食症になった経験があるほか、アレルギー体質なので食生活には人一倍気を使っている。
レストランを経営している母親の手料理を食べて育ったことから、農薬や合成着色料などの化学的な物を口にするとアレルギーが出るため、「なるべく無農薬の食べ物を口にするようにしている」と話すが、移動の多いツアーではなかなか難しく、それが悩みとなっているという。
以前はグルテンフリーの食事スタイルにしていたが、「残り5ホールくらいで血糖値が下がって後半にガス欠になったので、グルテンフリーはやめて、今はとりあえず精製されたもの(白米、白砂糖、小麦粉)を食べないように心がけている」と話す。

アメリカ人選手もオススメの日本食レストラン。

健康志向のレカリが各都市で訪れるのは、日本食レストランという。
「玄米、鶏肉、野菜などバランス良く食べられるので、ツアー先では日本食レストランを探します。米国では各地に日本食レストランがあってありがたいです。食レポサイトで評価の高いところを探して行くようにしています。ほかにはアーモンドミルク、キヌアなど高タンパクな食材もできるだけ毎日摂るようにしていますね」
各トーナメントでは主催者が肉、魚、野菜、フルーツなどバッフェ形式で工夫した食事を用意し、選手は朝と昼にそこを利用する。しかしトーナメント毎にその土地の食材が使われるため、毎回、同じ食材が食べられるとは限らない。
「あんまり神経質になりすぎてもいけない」とレカリが言うように状況に合わせて工夫する力も必要だ。
長いシーズンを戦い抜くためには、やはり「食のルーティーンを守る」ことが基本のようだ。

提供元:Number Web

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